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姿勢が悪くなる原因はひとつではありません ― 脳と8つの要因―
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姿勢は「脳の判断」で決まっています
私たちは、立ち方や座り方を
毎回考えて決めているわけではありません。
姿勢は、
脳(正確には神経の仕組み)が無意識に選んでいる状態です。
そのとき脳は、
次のような要因を同時に天秤にかけています。
姿勢を決めている8つの要因
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① 身体を守るための反応(防御)
痛み・不安・怖さがあると、
脳は「これ以上動かすのは危険」と判断します。
その結果、
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背中が丸まる
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首が前に出る
-
身体を固める
といった姿勢が選ばれます。
これは
姿勢が悪いのではなく、守っている状態です。
② 生活・作業環境への適応
デスクワーク、スマホ、育児、介護。
こうした環境では、
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前かがみ
-
同じ姿勢
-
腕を前に出す
ことが多くなります。
脳は
「この姿勢の方が作業しやすい」
と判断し、環境に合った姿勢へ適応します。
今の姿勢は、
生活に最適化された結果とも言えます。
③ 習慣・学習の結果
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昔から同じ座り方
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片側に体重をかける癖
-
長年それで問題なかった
こうした姿勢は、
脳にとって「成功体験」です。
良い・悪いではなく、
慣れたやり方として再生されているだけです。
④ 感覚入力の偏り・不足
脳は、
足裏・骨盤・背中などからの感覚をもとに
姿勢を調整しています。
もし
-
体重の位置が分からない
-
背中の感覚が乏しい
状態だと、脳は
「よく分からないから、動かさないでおこう」
と判断します。
結果として、
固めた姿勢が選ばれます。
⑤ 疲労・省エネ戦略
疲れているとき、
人は自然と楽な姿勢を取ります。
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寄りかかる
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骨盤に乗る
-
頭が前に出る
これはサボりではなく、
エネルギーを節約するための選択です。
⑥ 心理・情動状態
不安、緊張、ストレスが強いと、
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身体が縮こまる
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呼吸が浅くなる
といった反応が起こります。
姿勢は、
気持ちの状態をそのまま表すこともあるのです。
⑦ 身体的制約(構造・既往)
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ケガや手術の経験
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関節の硬さ
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変形や可動域制限
こうした制約がある場合、
姿勢はその条件の中での最適解になります。
この場合、
無理に「正しい姿勢」を当てはめることはできません。
⑧ 社会的・文化的要因
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「良い姿勢でいなさい」と言われて育った
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人前で緊張しやすい
-
職業上の立ち振る舞い
姿勢は、
社会や文化の影響も受けて学習されます。
姿勢は「原因」ではなく「結果」
ここまで見て分かるように、
姿勢は単一の原因で決まるものではありません。
身体を守り
環境に適応し
これまでを学習し
今の状態に合わせて
脳が選んだ
その時点での最も合理的な答え
それが今の姿勢です。
だから「無理に直す」と戻ります
姿勢を意識して正そうとすると、
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疲れる
-
続かない
-
元に戻る
という経験をする方が多いです。
それは、
脳の判断を無視して形だけ変えようとしているからです。
姿勢改善で本当に大切なこと
姿勢改善とは、
❌ 無理に正すこと
❌ 形を揃えること
ではありません。
⭕ 脳に「別の選択肢がある」と教えること
⭕ 安心して使える姿勢を増やすこと
です。
まとめ
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姿勢は脳が8つの要因を考えて選んでいる
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悪い姿勢ではなく「今の最適解」
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原因を知ると、姿勢は責めるものではなくなる
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正しい順番で進めると、自然に変わる
最後に
姿勢は、あなたの身体が一生懸命考えた結果です。
まずはそれを否定せず、
「なぜこの姿勢なのか?」
という視点を持つことが、改善の第一歩になります。