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どれだけ反れるかより、どこを反らすか。
どれだけ反れるかより、どこを反らすか。
〜安全で効率的な体幹伸展のために知っておきたいこと〜
「反らす動き(体幹伸展)」は、ヨガ・ピラティス・筋トレ・日常動作まで幅広く出てくる基本パターンです。
しかし、反る動作は “どれだけ深く反れるか” ではなく、”どこを反らしているか” が最も重要です。
正しく反れれば、腰の負担を減らしながら背骨本来の動きを取り戻し、姿勢改善にもつながります。
逆に、誤った反り方は腰痛・股関節痛・肩のつまり感を誘発しやすくなります。
反り動作で起こりやすい誤解
多くの人は「いっぱい反れた=柔らかい・良い動き」と思いがちです。
しかし実際は、反れる=コントロールできている ではありません。
よくあるエラー
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腰だけで反ってしまう(過度の腰椎伸展)
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肋骨が前に出て胸郭が開きすぎる(リブフレア)
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骨盤を前に倒しすぎて“見かけの反り”だけ深く見える
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股関節がほとんど伸びていない
これらはすべて「強く反れているように見えるけど、実際は動きが偏っている」状態です。
正しい「体幹伸展」の本質
体幹の伸展は “背骨全体” の動き です。
実際の研究・解剖学的ポイントから整理すると、以下が重要になります。
① 背骨が均等に伸展していること
腰だけでなく、胸椎・頸椎もそれぞれ分散して動くこと。
胸椎の伸展を引き出せると、腰への負担が大幅に減ります。
② 骨盤は「中間位〜軽い前傾」
極端な前傾や後傾にすると、どこかの関節だけに負担が集中します。
骨盤はニュートラルで動けるのが理想です。
③ 腸腰筋の“伸ばす筋力”と“支える筋力”
反る動作には、
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太もも前(大腿直筋)だけに頼らない骨盤の安定
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腸腰筋の適切な張力と股関節伸展コントロール
が不可欠です。
股関節が伸びずに反ろうとすると、腰だけが反ってしまいます。
④ 腹筋群は「反る時も働く」
意外かもしれませんが、伸展時にも腹筋のコントロールは必要です。
腹圧を保つことで、腰椎の過伸展を防ぎ、安全な反りができます。
■ なぜ「どこを反らすか」が大事なのか?
理由はシンプルで、人間の体はどこかが動きすぎれば、どこかは動けなくなるからです。
● 腰ばかり反る → 胸椎が硬いまま → 肩が上がらない・姿勢が崩れる
● 股関節が伸びないまま反る → 腰が反りすぎる → 腰痛
● 肋骨が開く → コアが抜ける → 腰椎の負担増
つまり、
「反れる=良い」ではなく、反り方の分布・質こそがパフォーマンスと健康を決めます。
当院のアプローチ
当院では、整体×ピラティスを組み合わせて
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背骨の分節的な動きの改善
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骨盤のニュートラル獲得
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股関節伸展(腸腰筋)のコントロール
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腹圧を保ったままの体幹伸展
を重視しています。
「反りやすい場所ばかり動かすクセ」を減らし、
「本来動くべき場所が動くカラダ」へ再教育していくのが目的です。
まとめ
✔ 反りの深さより、反りの“質”が大事
✔ 腰だけ反るクセは故障リスクを高める
✔ 背骨全体が均等に伸びるのが理想
✔ 骨盤の中間位・腸腰筋・腹圧のコントロールがポイント
✔ 動作は“見た目の柔らかさ”ではなく“機能性”で評価するべき