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猫背は悪い姿勢なのか?
「猫背は悪い姿勢だから、いつも背筋を伸ばしましょう」
こうした言葉を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
たしかに、猫背という言葉には「見た目が悪い」「身体に悪そう」という印象があります。
ですが、実際には猫背そのものが、ただちに悪いとは言い切れません。
むしろ大切なのは、
猫背になること自体ではなく、猫背のまま固まってしまい、必要なときに背筋を伸ばせなくなっていることです。
Contents
猫背は“身体が環境に適応した結果”でもある
現代では、デスクワーク、スマホ操作、運転、家事、育児など、
前かがみになりやすい動作がとても多くなっています。
パソコンを見るときは顔が前に出やすく、
スマホを見るときは自然と背中が丸まりやすい。
書き物や細かい作業も、どうしても身体は前に寄っていきます。
つまり、猫背は「悪い癖」というよりも、
今の生活スタイルに身体が適応した結果として起こりやすい姿勢ともいえます。
身体は、よく使う形に順応します。
前で作業する時間が長ければ、背中が丸くなる方向に慣れていくのは、ある意味自然なことです。
問題なのは「猫背になること」ではなく「猫背しかできないこと」
ここで大切なのは、
人の姿勢は常に変化してよいものだということです。
実際、私たちは一日中ずっと猫背なわけではありません。
立ち上がったり、歩いたり、振り向いたり、手を上げたり、物を持ち上げたりしながら、
その都度、身体は少しずつ形を変えています。
本来、姿勢には“ふり幅”が必要です。
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丸まることができる
-
伸びることができる
-
ひねることができる
-
戻すことができる
このように、ひとつの形に固定されず、必要に応じて変えられることが重要です。
ですので、猫背が悪いのではなく、
猫背の姿勢から背筋を伸ばす方向へ戻れない
丸まった姿勢で固まりやすい
という状態のほうが問題になりやすいのです。
“良い姿勢”とは、ずっと同じ姿勢でいることではない
「良い姿勢」と聞くと、
胸を張って、背筋をピンと伸ばしている状態を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですが、実はどんなにきれいに見える姿勢でも、ずっと固定されていれば負担は増えます。
たとえば、
「背筋を伸ばさなきゃ」と頑張りすぎて、常に力んでいる状態も、
肩や背中、腰の緊張につながることがあります。
姿勢において本当に大切なのは、
“正しい形を保ち続けること”ではなく、状況に合わせて動かせることです。
少し丸まることもできる。
必要なら伸びることもできる。
疲れたら姿勢を変えられる。
これこそが、身体にとって自然で、負担の少ない状態です。
猫背でも「動ける人」は大きく崩れにくい
同じように見える猫背でも、
身体への負担は人によってかなり違います。
たとえば、
-
背中は少し丸いけれど、胸郭がしっかり動く
-
肩が前にあっても、腕はスムーズに上がる
-
座っていると丸くなるが、立つと自然に伸びられる
このような人は、見た目に多少猫背っぽさがあっても、
身体の機能としては大きな問題が少ないこともあります。
一方で、
-
背中を伸ばそうとしても伸びにくい
-
首や肩ばかり力が入る
-
呼吸が浅い
-
腰や背中がすぐつらくなる
このような場合は、
「猫背」という見た目そのものよりも、
姿勢を変える自由度が少なくなっていることが不調につながっている可能性があります。
大切なのは「伸ばす」より「戻せる」こと
猫背が気になると、
「とにかく背筋を伸ばそう」と意識しがちです。
もちろん、背中が伸びる感覚を持つことは大切です。
ただし、常に伸ばし続ける必要はありません。
ポイントは、
丸まることもできるし、伸ばすこともできる
という状態を作ることです。
言い換えると、
ひとつの姿勢に縛られず、必要な方向へ切り替えられる身体が理想です。
そのためには、単に「姿勢を正そう」とするよりも、
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胸まわりの硬さを減らす
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背骨が動きやすくなる
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呼吸がしやすくなる
-
肩甲骨や骨盤がスムーズに連動する
-
座りっぱなしを減らして、こまめに動く
こうした土台づくりのほうが大切です。
猫背を“悪者”にしすぎないことも大切
猫背が気になると、
「自分の姿勢はダメだ」と感じてしまう方も少なくありません。
ですが、姿勢はその人の生活や仕事、習慣の積み重ねです。
猫背になっているのは、身体がサボっているからでも、意識が低いからでもありません。
その時々の生活に合わせて、
身体が一番使いやすい形を選んできた結果ともいえます。
だからこそ、必要なのは「猫背を責めること」ではなく、
今の身体に、もう少し別の選択肢を増やしてあげることです。
丸まるしかできないなら、伸びる選択肢を。
前に偏りやすいなら、後ろにも動ける余地を。
それだけでも、身体の負担は変わってきます。
まとめ|猫背は悪ではない。でも、固まるのはよくない
猫背は、現代の生活の中で生まれやすい自然な姿勢のひとつです。
そのため、猫背=即悪い姿勢と決めつける必要はありません。
ただし、
猫背のまま固まってしまい、必要なときに伸びられない、動けない
という状態は、肩こり・首こり・腰の不調・呼吸の浅さなどにつながることがあります。
大切なのは、
「猫背にならないこと」ではなく、
猫背にもなれるし、そこから伸びることもできる“ふり幅”を持っていること。
姿勢は、正解の形を守り続けるものではなく、
その時々に応じて変えられることが大切です。
もし猫背が気になる場合は、
無理に胸を張り続けるのではなく、
まずは「今の身体がどこで固まりやすいのか」「どこなら動かせるのか」を見直してみることがおすすめです。
姿勢は、固めるものではなく、整えて動けるもの。
そう考えると、猫背との向き合い方も少し変わってくるかもしれません。