NEWS / BLOG
産後骨盤矯正は本当に必要?
Contents
小松市で産後ケアを探している方へ
「産後は骨盤矯正をしないといけない」
「骨盤が開いたままだと、不調が続く」
そんな情報を目にして、不安になっていませんか?
結論からお伝えすると、
産後骨盤矯正は“全員に必要”というわけではありません。
一方で、評価やケアを受けたほうがよい方が一定数いるのも事実です。
この記事では、
・医学・運動学のデータ
・海外レビューやガイドラインの考え方
・当院で行っている ENCOMPASSを用いた産後ケアの考え方
をもとに、「本当に必要なケース」と適切なアプローチをわかりやすく整理します。
そもそも、産後の骨盤はどうなるの?
妊娠・出産に伴い、体には次のような変化が起こります。
-
ホルモンの影響で靭帯が一時的にゆるむ
-
お腹の重さや姿勢変化で、体の使い方が変わる
-
出産後は、時間とともに自然に回復方向へ向かう
研究では、
・産後1か月前後から骨盤は回復方向に進む
・分娩方法(自然分娩・帝王切開)による大きな差は限定的
と報告されています。
つまり、
「産後=骨盤がずっとズレたまま」ではありません。
では、なぜ「産後骨盤矯正が必要」と言われるの?
理由はシンプルで、
産後に“困った症状が出る方が一定数いる”からです。
代表的なのは、次の3つです。
① 産後の骨盤まわりの痛み(骨盤帯痛)
✔ 歩くと恥骨やお尻が痛い
✔ 寝返り・立ち上がりがつらい
✔ 抱っこや家事で痛みが強くなる
これらは
産後の骨盤帯痛(PP-PGP) と呼ばれます。
データでは
・多くの方は自然に軽快
・ただし 産後3か月以降も痛みが残る方が一定数存在
この場合、
「骨盤を無理に戻す」よりも、
痛みが出にくい体の使い方を再学習することが重要になります。
ENCOMPASSを使ったアプローチ
ENCOMPASSでは
・骨盤や背骨を安定させた状態で
・余計な負担をかけずに
・正しい動き方を体に覚えさせる
ことが可能です。
痛みがある時期でも、
安全な範囲で“使える体幹”を取り戻すためのサポートとして活用します。
② 尿もれ・違和感など骨盤底のトラブル
産後の女性の約3人に1人が、
尿もれなどの骨盤底トラブルを経験するとされています。
-
咳やくしゃみで尿が漏れる
-
抱っこや動作で不安を感じる
これらは
✔ 年齢
✔ 出産回数
✔ 骨盤底筋と体幹の連動低下
が関係します。
単純な筋トレではなく、
「呼吸・体幹・骨盤底筋を一緒に使えるか」が重要です。
ENCOMPASSを使ったアプローチ
ENCOMPASSでは
・呼吸と連動した体幹の安定
・骨盤底筋を意識しやすい姿勢
を作りやすく、
力みすぎず、正しく使う感覚を身につけることができます。
③ お腹まわり・体幹がうまく使えない感覚
-
お腹に力が入りにくい
-
姿勢が安定しない
-
腰に負担が集中しやすい
産後は、腹直筋離開を含め
体幹の協調性が低下していることが多く見られます。
近年の研究では、適切な運動介入により、
体幹機能の改善が期待できる
と報告されています。
ENCOMPASSを使ったアプローチ
ENCOMPASSは
・反り腰や代償動作を起こしにくい
・深層筋を中心に使いやすい
という特徴があり、
「体幹を鍛える前の再教育」として非常に相性が良いツールです。

逆に「必ずしも骨盤矯正が必要でない」ケース
以下に当てはまる場合は、
過度な矯正や特別な介入は不要なことも多いと考えられます。
-
痛みや尿もれなどの症状がない
-
日常生活・育児が問題なく行えている
-
徐々に体力や動きが戻ってきている
この場合は
・休養
・睡眠
・無理のない運動再開
を優先し、必要に応じてサポートする形が適切です。
大切なのは「矯正するか」ではなく「どう整えて、どう使えるようにするか」
エビデンスに基づく考え方では、
❌ 産後だから全員骨盤矯正
⭕ 困りごとがある人を評価し、
整えて → 動かして → 使える体へ
この流れが、最も安全で再発リスクの少ない方法です。
当院の産後ケア|整体 × 評価 × ENCOMPASS
当院では
・骨盤を押して戻す
・強い矯正を行う
ことを目的にはしていません。
-
痛み
-
動き
-
筋力
-
日常生活での負担
を評価したうえで、
整体で整え、ENCOMPASSで正しい動きを再学習し、
「戻りにくい体」を目指す産後ケアを行っています。

まとめ|産後骨盤ケアは「必要な人に、必要な分だけ」
-
産後骨盤矯正は全員に必要ではない
-
ただし
-
骨盤の痛み
-
尿もれ
-
体幹の不安定さ
がある場合は、ケアが役立つ可能性が高い
-
-
ENCOMPASSは
産後の体に無理をかけず、正しく動ける体を取り戻すための有効な手段
「矯正しないと不安」ではなく、
「今の体に合ったケアを知る」ことが、産後回復の近道です。